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あなたは1人じゃない その6 はじめてリーダーになるあなたへ 「リスペクト」「アウトプット」「アウトカム」からチームのコミュニケーションを改善しよう (3)
こんにちは。株式会社パイプラインの濱田です。前回は「よいチームはアウトプットの質が安定して高い」というテーマで、チーム全体におけるアウトプットの質的向上について取り上げました。今回はアウトプットをいかにアウトカムに繋げるか、について考察したいと思います。
よいチームはアウトカムを意識できる。
まずアウトプットとアウトカムの違いをロジックモデルから説明したいと思います。そもそもロジックモデルとは、チーム(組織と読み替えてもよいです)が最終的に目指す着地点に向けた道筋を以下のように体系的に示したものです。
インプットはいわゆる「人・物・金」で、人数、メンバーのスキル、仕事道具の質や予算がイメージしやすいかと思います。活動はいわゆるチームメンバーの行動や取り組みで、仕事の質に直接かかわるところで、アウトプットに至るまでのプロセス、経過と認識してもよいでしょう。
さて、アウトプットとアウトカムの違いですが、アウトプットは活動の結果であり、直接的な成果です。例えば「濱田さん、顧客Aさんから依頼されたメールアドレスを1つ作っておいて」といった指示があって業務を行い、「はい、Aさんのメールアドレスを作っておきました」と報告すると、「Aさんのメールアドレスを1つ作成した」というアウトプットになります。
アウトカムは直接の結果と異なり、最終的な成果を指します。先ほどのメールアドレス作成を例にしますと、顧客Aさんはメールアドレスを得て業務上のコミュニケーションが円滑になった、これがアウトカムなのです。つまり、「言われたことをやりました」でおしまいではなく、なぜその業務が必要なのか、求められる結果(直接的な成果)、アウトプットがどうアウトカムに繋がるのかを意識できることが重要なのです。そして、これを個人の気づきや行動の質に依存せず、チームとして行える、チームとしてアウトカムを意識することができるチームこそが、よいチームと言えますので、リーダーはメンバーやステークホルダーに対して、チームに課せられているアウトカムを正しく説明できるようにしましょう。
先ほどはメールアドレスを作成するといったアウトプットとメールによるコミュニケーション円滑化がアウトカムという例えをしましたが、実際には顧客のビジネス発展に寄与したり、世の中の便利さにコミットしたりすることがアウトカムとして求められるかと思います。
チームとして目指すアウトカムがぼんやりとしていると健全な達成感を得られないばかりか、自社の利益に貢献できているかステークホルダーへ説明しにくいですし、反対に非現実的なノルマを課せられているとチームとして機能しなくなるでしょう。ですので、チームに求められるアウトカムは定量的・定性的に評価可能でかつ現実的な数値であることが理想的です。
よいチームと悪いチームの比較とまとめ
よいチームと悪いチームの比較を以下の表にまとめてみました。
よいチーム | 悪いチーム | |
リスペクト | ・メンバー相互にリスペクトがある。 また、リスペクトに条件がない。 | ・メンバー間のリスペクトがまったくないか、メンバー間相互に無関心である。 ・メンバー間のリスペクトを強要される。 ・上席者のみ(表面上)リスペクトされ、上席者はメンバーに対するリスペクトがない。 |
アウトプットの質 | ・アウトプットの質が高いか、アウトプットの質を高めるための向上心がある。 ・個人技に依存せず、チーム全体でアウトプットの質を高めようとしている。 | ・基本的にアウトプットの質が低く手戻りが多い。 ・特定した個人のアウトプットに依存している。 ・リーダーはメンバーのアウトプットに興味を持たない(炎上しても助けようとしない)。 |
アウトカム | ・アウトプットをアウトカムへ繋げようとする文化があるか、自然に行動習慣として根付いている。 ・チームとして目指すアウトカムが共有され、定量的・定性的かつ現実的な数値として管理されている。 | ・アウトカムへの意識がないため、「言われたことをやりました」以上の意識が及ばない。 ・非現実的な目標が課せられ、メンバーがひとしく疲弊する。 |
さて、今回はチームの良し悪しを「リスペクト」「アウトプットの質」「アウトカム」の3つの観点で分析してみました。あなたが所属するチームがこれらの観点でメンバーやステークホルダーにきちんと説明できるか、考えてみるとよいでしょう。
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