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ネットワーク技術者の備忘録―(10) 「IPsec」への苦手意識克服の方法
■はじめに
皆さん、こんにちは。ネットワークエンジニアの坂田一です。
このコラムでは筆者がネットワークエンジニアという仕事を通して得た知見や、普段の生活で役立つネットワークに関するミニ知識をご紹介しています。
第10回目のコラムでは前回に引き続き「IPsec」についてご紹介します。
前回は筆者が「IPsec」への苦手意識を克服するために試行錯誤した過程をご紹介しました。
今回は苦手意識を服した方法をご紹介します。
■苦手意識を持つ原因は何か
第8回のコラムで、「IPsec」に苦手意識を持つ原因 は、「設定するパラメータが多すぎるから」とご紹介しました。
「IPsec」の設定を行う場合、10以上のパラメータ設定するケースもあり、組み合わせも様々です。
ネットワークエンジニアの中には、多数のパラメータの内容をすべて理解しようして失敗し、「IPsec」へ苦手意識を持っている方も多くいると思います。
たしかにIPsecのパラメータの意味を理解することは大切です。
しかし最初から全てを理解する必要はありません。
苦手意識を克服するために、どのようにパラメータを理解するのがお勧めなのかをご紹介します。
■IPsecのパラメータは大きく2種類あります
IPsecパラメータは大きく2種類に分けることが可能です。
それは「ユーザごとに設定値が頻繁に変わるもの」と「メーカ推奨値を使用し、設定値がほとんど変わらないもの」です。
ネットワークエンジニアになりたての方や「IPsec」に苦手意識持つ方は、「ユーザごとにパラメータが頻繁に変わるもの」をまずは理解し、その後に「メーカ推奨値を使用し、設定値がほとんど変わらないもの」を少しずつ理解していくのがお勧めです。
パラメータに優先順位をつけることで、パラメータの中でも特に重要なもの優先的理解することができ、結果IPsecの理解が深まります。
また「ユーザごとにパラメータが頻繁に変わるもの」が明確になるため、構築の際にユーザに必ず確認しなければいけない情報を整理することも出来ます。
■パラメータをどう分けるか
IPsecのパラメータを先ほどご紹介した2パターンに分ける方法について、実際に筆者が行った方法をご紹介します。
筆者はヤマハのRTX1210を使用して検証を行ったので、検証方法もRTX1210をベースにご紹介します。
まず行ったのは、過去の案件資料を参考にしながら、RTX1210のGUIを使用したIPsecの疑似環境の作成です。RTX1210にはGUIが搭載されており、IPsecもGUIから行うことが可能になっています。
設定を行った後、設定内容をテキストベースで取得し作業端末に保存します。
これを作成条件を変更(宛先IPアドレスや、パスワード)しながら複数回実施します。
その後、保存した複数の疑似環境から取得した設定を比較します。
その結果、疑似環境ごとに設定値が異なるパラメータとほとんど変化しないパラメータに分かれます。
そのうち「疑似環境ごとに異なるパラメータ」を優先的に理解していくことで、IPsecへの苦手意識がなくって行き、最終的に苦手意識を克服することができます。
疑似環境の作成は、メーカ公式サイトの設置を真似するのも良いですが、実際の過去案件の設定を参考にすると、より皆さんの職場で重要なパラメータが明確になります。
■最後に
今回のコラムでは筆者がお勧めする「IPsec」への苦手意識の克服方法をご紹介しました。
ユーザごとに調整が必要なパラメータとメーカ推奨もしくはデフォルト値を使用するパラメータを分けて学習する方法は「IPsec」だけでなくその他のネットワーク技術を学ぶ際にも非常に有効です。
これからネットワーク技術の学習を始められる方や、ネットワークの特定の技術に苦手意識を持っている方はぜひ試してみてください。
次回は「IPsec」の具体的なパラメータの内容についてご紹介したいと思います。興味のある方はぜひ次回のコラムも読んで頂きたいと思います。
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