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ネットワーク技術者の備忘録 (2)NIC/MACアドレスについて
皆さんこんにちは。ネットワークエンジニアの坂田一です。
皆さんはクラウド上でアプリケーション開発を行うことに興味はありますか。私は仕事で開発を行っていますが、クラウド上でアプリケーション開発を行う際にも重要になるのはネットワークです。「え、クラウド上で開発するんだからネットワークってあんまり意識しなくてもいいんじゃないの?」って思った皆さん、それは大きな間違いです。なぜなら、クラウド上のアプリケーション間の連携や、ローカル環境への通信制御を行う際に、ネットワークの調整が必要になるからです。このようにドクラウド上でもネットワーク、つまりTCP/IPの知識が必要になります。
第一回目では、TCP/IP と クラウド、 IoTなどがどのように関連しているのか、簡単なイメージ図でご紹介しました。今回はTCP/IPの第一層であるネットワークインターフェース層についてより詳細にご紹介したいと思います。
まずこちらが前回ご紹介したTCP/IPの図になります。
ネットワークインターフェース層はMACアドレス、インターネット層はIPアドレス、トランスポート層はTCP/UDP、アプリケーション層ではポート番号などが使用されます。
では、ネットワークエンジニアはこれらの階層のうち、どの階層の知識が深くなっていくのでしょうか。ずばり1層から3層です。4層はアプリケーションが実際に動く層になりますので、アプリケーションエンジニアが主に活躍する場になります。
※アプリケーション層のポート番号もネットワーク構築では意識しますが、まずは1層から3層の知識が深くなっていきます。
それではこれから、TCP/IPの1層ネットワークインターフェース層について、より詳細にご紹介していきましょう。
まず覚えて頂きたい言葉があります。ネットワークインターフェースカード(以下 NICと記載)です。NICはPCなどの通信端末間で通信を行うために欠かせないものです。第1回でご紹介したコンビニの例を使用すると、NICとはコンビニがたっている土地が該当します。土地がないとコンビニをたてることもできず、徒歩や電動自転車で買い物に行くこともできません。それと同様にNICがないと、MACアドレスやIPアドレスを割り振ることもできず、通信を行うことができません。
NICにはMACアドレスというものが、メーカによって事前に設定されています。MACアドレスとは先程のコンビニの例で行くと、土地の上にたつコンビニの建物になります。会社によって建物の外観が変わるのと同様に、MACアドレスもネットワーク機器を開発する会社によって変わっています。具体的にはMACアドレスは48bitの長さを持っていますが、そのうち前半の24bitがネットワーク機器を製造する会社によって事前に決まっているのです。
またMACアドレスは複数の物理インターフェースで共有する事が可能です。具体例としてヤマハ株式会社が発売しているRTX830を見てみましょう。
RTX830には通信用にLAN/WANという5つの物理インターフェースがあります。(CONSOLEと書かれた一番左側のインターフェースは管理用等に使用するものなので、ここでは数に含めません)そのうち、赤色で表示したLANと書かれた4つの物理インターフェースは、1つのMACアドレスを共有しています。
MACアドレスの特徴として覚えてほしいことは、MACアドレスを共有している複数の物理インターフェース間で、通信に関する情報の共有が可能なことです。
今はまだ、NICやMACアドレスに関するこれらの説明が、なぜ大切なのかは曖昧だと思います。しかし、今回ご紹介した内容を覚えて頂くと、次回以降のコラムで紹介するリピータやスイッチの違いが非常にはっきりしますよ。
本日ご紹介した内容を簡単にまとめるとこのようになります。
- NIC:ネットワークインターフェースカードのこと。PCなどの通信端末間で通信を行うために欠かせないもの。
- MACアドレス:メーカによって事前にNICに設定されているもの。MACアドレスを共有している複数の物理インターフェース間で、通信に関する情報の共有が可能である。
皆さんぜひ覚えて下さい。
ではまた、次回のコラムでお会いしましょう。
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