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コラム

ネットワーク技術者の備忘録―(4)スイッチ、スイッチングハブ、リピーターハブとは

こんにちは。ネットワークエンジニアの坂田一です。
今年も「皆さんの役に立つネットワークに関する情報」をどんどんご紹介したいと思っているので引き続きよろしくお願いします。

新年1回目のコラムは「スイッチ」、「スイッチングハブ」、「リピーターハブ」というネットワーク機器のご紹介です。この機器は皆さんの自宅ではあまり見かけないですが、会社やマンションのネットワークでは非常に重要な役割を担っています。それでは始めましょう。

スイッチ、スイッチングハブ、リピーターハブ とは

いきなり核心をつく内容になってしまいますが、これらの機器は皆さんが普段使用しているパソコンなどの通信端末やネットワーク機器を複数接続することができる機器です。通信を集約し、別機器へ中継する機能を担っています。皆さんは会社でパソコンを使用する際、どのようにネットワークに接続されていますか。Wi-Fiを使用している方はWi-Fiを提供しているアクセスポイントの先に、有線(LANケーブル)を使用している方は有線の先にこれらの機器があります。図1

自宅などでこれらの機器を見かけない理由は、通信端末が少なく通信を集約する必要がないからです。筆者の家でもPCなどの通信端末はルータに直接接続しているか、Wi-Fiルータから提供されるWi-Fi経由でインターネットに接続しています。

リピーターハブとスイッチングハブ

まずご紹介したいのがリピーターハブとスイッチングハブです。リピーターハブとは集約したデータをすべての接続機器へ送信します。それに対してスイッチングハブは集約したデータを適切な宛先にのみ送信します。集約したデータをすべての機器に送信すると通信量が膨大になって通信不良が発生します。そのため会社などでは、リピーターハブよりもスイッチングハブが多く導入されています。リピーターハブとスイッチングハブの違いはこの他にありますが、大きな違いは今回ご紹介した内容なので皆さんぜひ覚えてください。

ちなみに第二回のコラムで、「MACアドレスを共有する複数のインターフェース間では、情報共有が可能」とご紹介しました。この情報というのが、通信毎に適切な宛先がどこなのかという情報です。図2

スイッチについて L2スイッチとL3スイッチ

最後にご紹介するのはL2スイッチとL3スイッチについてです。L2スイッチとは主に宛先MACアドレスを使用して、接続された機器間の通信を中継します。それに対して、L3スイッチはMACアドレスやIPアドレスをもとに通信を中継します。(IPアドレスをもとに通信を中継する事をルーティングといいます。詳細は別コラムでご紹介します。)近年ではL2スイッチでもIPアドレスを使用して通信を中継することが可能な機器が出ているため区分けが難しくなっているのですが、まずはこの認識で機器を判別してください。その後、「あ、このネットワーク機器はL2スイッチと言いながらL3スイッチの機能も備えているな」と言うように柔軟に対応することで、問題なくネットワークの構築が出来ると思います。筆者もこの流れでいつもスイッチの選定、設定を行っています。

最後に

今回ご紹介した内容は、各機器の表面的な内容になります。スイッチ、スイッチングハブ、リピーターハブの役割は「通信の中継」とご紹介しましたが、スイッチ、スイッチングハブでは複雑なネットワークでも効率よく中継を行うために様々な機能が搭載されています。具体的にはスタック機能という、2台のスイッチを仮想的に1台のスイッチに見立てて経路を冗長化する機能などです。これらの機能はこれからのコラムの中でご紹介したいと思います。興味のある方は引き続きわたしのコラムの読んでくださいね。

今回のコラムはこちらで終了となります。 また次回のコラムでお会いしましょう。 さようなら。


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  2. ネットワーク技術者の備忘録 (2)NIC/MACアドレスについて
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