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ネットワーク技術者の備忘録―(9) 「IPsec」への苦手意識克服の過程
■はじめに
皆さん、こんにちは。ネットワークエンジニアの坂田一です。
このコラムでは著者がネットワークエンジニアという仕事を通して得た知見や、普段の生活で役立つネットワークに関するミニ知識をご紹介しています。
第9回目のコラムでは前回に引き続き「IPsec」についてご紹介します。
前回は筆者の苦い経験を踏まえながら「IPsec」の概要についてご紹介しましたが、今回は筆者が「IPsec」への苦手意識を克服するために行ったことを、失敗談も含めてご紹介したいと思います。
■暗号化技術の理解にトライ
苦手意識を克服するために最初に取り組んだのは、暗号化技術について理解を深めることでした。
「IPsec」は暗号化技術を利用したプロトコルのため、暗号化技術を理解しないと苦手意識は克服できないと考えたからです。
暗号化技術について解説された書籍を購入し、仕事終わりに読む生活を一カ月ほど続けました。このコラムを読んで頂いている方の中には、同じようなことをされた方もいらっしゃるかもしれません。
筆者の場合、一カ月たっても苦手意識は克服できませんでした。暗号化技術について全く理解できなかったからです。
今読み返すと非常にわかりやすく書かれている書籍だったのですが、当時の筆者は「何がわからないかが、わからない」状態だったため、本の内容が頭に入らなかったのだと思います。
■資格試験の参考書にトライ
暗号化技術の理解ができず依然として「IPsec」への苦手意識がある筆者は、次に国家資格であるネットワークスペシャリスト試験に関する参考書を購入し「IPsec」について解説されている章を読み始めました。
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク技術に関する問題が出題されるため、参考書にもネットワーク技術に関する説明が非常にわかりやすく記載されています。
実際「IPsec」がどのような技術でどのようなケースで使用されているかも非常にわかりやすく記載されていました。
しかし「IPsec」の概要を理解するためには非常に有効でしたが、メーカ毎の具体的な設定が解説されているわけではありません。
実際に機器へ設定を行う際の注意点についても知りたいと考えていた筆者には少し物足りなく、やはり苦手意識の克服はできませんでした。
■少しずつ苦手意識が薄れ始めたきっかけ
ここまで行ってきた「暗号化技術の理解にトライ」「資格試験の参考書にトライ」では克服できなかった「IPsec」への苦手意識ですが、あることを行うことで徐々に薄れ始めました。
それは「実際に機器へ設定を行い、Psecを作成する」です。
「今更?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、一般に公開されているサンプル設定をコピーして機器に入れるだけではありません。
当時の筆者も、「メーカのホームページに載っているサンプル設定をコピーして実際に機器に設定する」 ということは何度も行っていました。
苦手克服のきっかけとなったのは、単なる「設定のコピー」ではなく、GUIとCLIの併用でした。
筆者はヤマハ株式会社のRTX1210というルータを使用して検証していたため、RTX1210に搭載されているGUIとCLIを併用することで徐々に苦手意識が薄れていきました。
そして最終的には苦手意識を克服することに成功しました。
実際にどのようなことを行ったかについては、次回のコラムでご紹介します。
「IPsec」に苦手意識がある方は、ぜひ次回のコラムも読んで頂きたいと思います。
■最後に
今回のコラムでは筆者が「IPsec」への苦手意識をなくすために実際に行ったことについて、ご紹介しました。
次回のコラムでは、なかなか克服できなかった「IPsec」への苦手意識が薄れ始め、最終的に克服できた方法について具体的な方法を含めご紹介したいと思います。
また、次回ご紹介する内容は、「IPsec」だけでなくその他のネットワーク技術に苦手意識がある場合も活用できる内容だと考えています。「IPsec」以外のネットワーク技術に苦手意識がある方も、ぜひお読み頂きたいと思います。
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